それに裏づけされた信頼からか「病気を治してくれる!」という
盲信に近い念を想像してしまいますが、
実はそこから勘違いが始まっていると言っても過言ではないように思います。
実際盲信している方は非常に多いように感じます。
今回少し視点を変えてみましょう。
医療といえども、バックボーンには経済システムが横たわっており、
それに応じて現場は、かなりの影響を受けつつ
成り立っていることを忘れてはいけないと思います。
現在日本では、国民皆健康保険制度があります。
その枠組みの中で、健康保険証を使って、
治療できるものとできないものがあります。
国から医師へ支払われる「診療報酬制度の中身の割合」を変えると、
日々の現場も在り方が変わってくるのは当然あり得ることです。
ここで、asahi.comからニュースを引用してみましょう!
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医療制度改革法が成立 高齢者の負担増、入院日数削減
2006年06月14日11時54分
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高齢者を中心とする患者の窓口負担増や、新たな高齢者医療制度の創設を柱とする医療制度改革関連法は、14日午前の参院本会議で自民、公明の与党などの賛成多数で可決、成立した。患者負担引き上げに加え、長期入院患者の療養病床削減、生活習慣病予防など、高齢化で増え続ける医療費の抑制を強く打ち出した内容で、今年10月から順次実施される。
10月には患者の負担増が始まる。70歳以上で一定所得以上の人の窓口負担は現在の2割から、働く世代と同じ3割に。療養病床に入院しているお年寄りの食費・居住費が全額自己負担になるほか、70歳未満の人も含め医療費の自己負担の月額上限が引き上げられる。
75歳以上の全員が加入する高齢者医療制度は08年4月スタート。これに合わせて一般的な所得の70〜74歳の窓口負担が1割から2割に上がる。75歳以上は1割のままだが、全国平均で月6200円程度と見込まれる新保険制度の保険料を払わなければならなくなる。
現在、全国に約38万床ある療養病床は12年度初めまでに15万床に削減。減らす23万床分は老人保健施設や有料老人ホーム、在宅療養などに移行させる。生活習慣病予防は中長期的な抑制策の軸で、40歳以上の全員を対象にした健康診断・保健指導を健康保険組合などの保険者に義務づける。
地方に抑制の責任を担わせるのも特徴。都道府県ごとに平均入院日数の短縮など数値目標を盛り込んだ医療費適正化計画を作らせる。中小企業の会社員ら約3600万人が加入する政府管掌健康保険の運営は、国から公法人の「全国健康保険協会」に移管。都道府県の支部ごとに保険料率を決めるようになる。
厚生労働省はこれらの施策で2025年の医療給付費を、現行のままの場合の56兆円から48兆円程度に抑えられるとしている。
国会審議では、野党側が患者負担増について「高齢者の家計は大きな打撃を受ける。行き過ぎた受診抑制を招く」と批判。療養病床削減には与党からも、行き場のない高齢者が出かねないと心配する声があがった。
このため参院厚生労働委員会での採決では、低所得者への配慮や、療養病床再編に対する支援策の充実などを盛り込んだ付帯決議がつけられたが、どこまで実効性があるかは未知数だ。
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以上は、医療制度改革関連法のニュースの抜粋ですが、これからの医療制度の向かっている2つの方向性があります。
(1) 在宅ケアの拡大
これは、長期入院患者の療養病床削減にみられるように、高齢者等々の病気の方々を入院ではなく、在宅で看病していきましょう・・・ということです。
つまり、今までは脳梗塞等々で半身不随や1人で生活ができない状態になったり、寝たきり状態になってしまったら、入院して過ごせました。しかし、これからは基本的に3ヶ月以上の入院はやめましょう!ということです。
現在でも、脳梗塞等々や手術後、起き上がれない状態の高齢者でも退院を余儀なくされているご家族からの相談を受けることがよくあります。
「85歳のおじいさんが骨折して入院加療3ヶ月後、骨は治りましたが、起き上がることができない状態になりました。しかし、退院することに・・・。そこで、63歳の娘さんが介護することになりました。在宅ケアを受けることになっていますが、家族は24時間体制で介護することになりました。」
このご家族の場合、娘さんが介護できる状態だったので、まだ救われますが、娘さんが働きに出ている場合は大変です。70歳代、80歳代の高齢者を介護するためには、その子供の世代、60歳代、50歳代の方が24時間体制で介護する必要が出てきます。24時間365日です。中には、介護のために仕事を退職するケースもよく聞きます。
退職できるケースでは、どうにかなりますが、40歳代で子育て中に親の介護が必要になるケースもあります。今の現役世代は、子育てと高齢者介護の両方をしなければならない事態になってしまっているケースも多数見受けられます。
(2) サプリメントの拡大
これは、特定保健用食品(通称:トクホ)にこれからのサプリメントの動向がうかがえます。
以下、東京都福祉保健局 食薬インフォベースのHPからトクホについてみて見ましょう。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_003/hoei_003.htmlより抜粋
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トクホは、平成3年にできた制度で、個々の製品ごとに厚生労働省から許可を受けており、保健の効果(許可表示内容)を表示することのできる食品です。
他の食品と違うのは、身体の生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の効果が科学的に証明されている(国に科学的根拠を示して、有効性や安全性の審査を受けています。)ということです。
(以下中略)
なお、医師による治療を受けている方で、トクホを使ってみたいという場合には、まず、主治医にご相談ください。(以下略)
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この部分がミソです。つまり、医師の管理の下でトクホ、つまりサプリメントを飲みましょう!という政策です。
トクホやサプリメントは健康保険が使えない、いわゆる自費にあたります。医師にトクホを処方してもらった場合、その診察料は自費診療に当たると考えられます。今でも病院と同敷地内にサプリメントを販売していたり、隣に薬局を経営している医院がありますが、近い将来、健康保険証が使える薬と自費のサプリメントを併せて病院で処方される時代が来るかもしれません。
生活習慣病が医療費の約3割を占める現在、その予防的処置が急務になっています。しかし予防処置は自費で・・・。
そして、風邪等々の軽度の病気の場合は、サプリメント等々の自費で対応するように国策として進めているのが伺えます。そうしなければ、これ以上、国民皆健康保険制度が持ちこたえられない時代になっています。
※病気の予防処置等々は、健康保険制度上、原則扱えないことになっています。それは、健康保険制度が病気を治すことを主目的としているためです。この制度上の意図から、3ヶ月以上の療養型病床の削減政策が進められています。
ということは、病気になる前に予防する・・・という予防治療(メンテナンスケア)には、健康保険は使えない、自費診療になる!ということですので、その点をしっかり頭に入れておく必要がありそうです。
もう一度、繰り返します。健康保険を使用する治療法は、「病気になってから治療する」と言うことで、大げさに言えば、「病気になるまで待って治療する」ということです。
健康保険制度や診療報酬制度、つまり経済システムによって、国の政策が変わり、そして病院等での診療現場の在り方が変わります。そのときに私達の健康、病気とのかかわり方も変化してくるのは当然のことです。
※EBMも医療経済学からの発想が大切になります。つまり、医療も「対費用効果」をみる研究が先進諸国では始まっています。
なぜ、今、その切り口が大切かと言えば、20世紀までまかり通ってきた「健康皆保険制度」が、実質破綻している状況だからです。「少子高齢化」の人口問題と税金のバランスがここでも大きく崩れ、今までのように「お財布の負担が少ない医療」とは言っていられない状況に全日本国民はおかれてしまっています。
といってもまだ実感として感じられない方もおられると思いますが、2004年秋に訪れた、とある開業医の待合室に「混合診療反対への署名表とチラシ」が置かれていました。
「ここまできても、まだ一方的に反対か・・・」
とビックリしましたが、「保険診療と自費診療の混合が進められている・・・」ということは、病気という形態をとってから医療に掛かると「高くつく!!」という時代になった事は賛成反対にかかわらず、間違いないことです。
またこれは相互扶助ではじまった「国民皆保険」システムは、今までと全く同じようには成り立たなくなったことを意味しています。
